チョロートを後にし、次の目的地へ。
テルヒンツァガーン・ノール
チョロート川からそれほど遠くない場所に位置する自然湖で、
大型のパイクが釣れることで有名な湖だ。
周囲には旅行者向けのツーリストキャンプが点在しており、
水遊びや釣りなどをするレジャー客で湖畔は大賑わい。
予測はしていたが完全な観光地だった。笑
ツーリストキャンプのゲルに宿泊し、ここをベースに釣り歩くことに。
ランクにもよるかと思うが、
自分達が泊まったところで一泊、1000円ほど(朝夕の食事込み)。
湖の規模は比較的大きく、
周囲は遠浅なジャリ浜が続いている。
ウィードが点在しており、
過去に自分が通いこんでいた琵琶湖の湖西を連想させる雰囲気だ。
この湖で狙うのはノーザンパイク。
ヨーロッパ~北米まで非常に広域に生息するカワカマスの一種。
大きいもので1メーターを軽く超える、非常に獰猛な大型の肉食魚で、
目の前を通るものには何にでも容赦なく襲い掛かるという。
今回の旅の同行者のショータ君は、
過去にイギリスをはじめとするヨーロッパ各地でこの魚を釣り上げているという。
パイク釣りの話はよく聞いており、いつかは釣ってみたい魚の一つだった。
非常に獰猛なパイクはいれば必ずなにかしらの反応があり、
釣り上げること自体はなんら難しくないとのことだ。
湖に着いたのはお昼過ぎ。
灼熱・無風で地獄のような暑さだったが、
いてもたってもいられなくなった自分は夕マズメまで待てず、
湖に立ちこんでキャストを繰り返した。
釣りを開始して直ぐ、サブリくんに本命がヒット!
口元からチラリと見える牙がカッコいい。
自分が釣ったわけではないが、憧れの牙魚を前につい見惚れてしまう。
早々に魚の姿が見れたのでこれは楽勝!
………
………………
………………………
…かと思いきや、後が続かない。
S字系ビッグベイトを結び広範囲を探っていくも、全くの完全無。
他の二人には魚からの反応があったと言うが、
自分にはアタリはおろかチェイスも無く、
灼熱の湖畔で地獄のような時間だけが過ぎていく…
そして迎えた夕マズメのフィーディングタイム。
湖畔を一通りランガンしてみた結果とショータくんからのアドバイスもあって、
ここだろうと目星をつけていた一級スポットに入ることに。
基本的にどこまで行っても遠浅な湖だが、
そこは唯一シャローとディープが隣接するエリア。
それは日没間際のことだった。
本命ポイントを打ち終えてしまい、
引き返しながら何気に投げた一投。
…ズン!!!
強い衝撃と共に、リールを巻く手が止まった。
…きた。
一呼吸おいてアワセを入れると…
重い…
根掛かり!?
いや、間違いなく魚だ!!
大きな波紋が立つと同時に、魚は沖に向かって一気に突っ走る!
そしてロッドを介して伝わる首振り。
これ、デカいかも…
手前まで寄せてくると、
大きな口を開けて抵抗を繰り返す魚。
そのデカさに一瞬怯むも、
フックは良いところに掛かっており、バレる心配は無い。
浅瀬に誘導し、無事ランディングすることができた。
自身初めての、そして巨大なパイクを手に一人絶叫。
叫び声を聴いたショータくんが急いで駆け付けてくれた。笑
…デカい。そして太い。
全てが広大なモンゴルのフィールドのポテンシャルに驚かされたイッピキだった。
次の日の朝一も釣りしてみたが、魚からの反応は無く納竿。
自分にとって今遠征最初で最後の貴重なノーザンパイクとなった。
正直、今回はかなり厳しかったと思う、テルヒンツァガーン湖の釣り。
訪れた6月後半はまだウィードが少なく、
パイクが浅瀬に寄ってきていないように思えた。
時期やタイミング的な部分も大きいと思うが、
ここのパイクは食料としてキープされているとのことで、
個体数が年々減ってきているというのもあるかもしれない。
現地人曰く、沖に出ればそこそこ釣れるとの事なので、
確実に釣りたいならボートかな。
次回は季節が進み、
パイクが浅瀬にさしてきたタイミングで狙ってみたい。
テルヒンツァガーン湖での短い釣りを終え、
最後の目的地へ向けて大移動を開始。
モンゴルに棲息するという、もう一種類の牙魚を求めて…