先週末のこと…
土日は天気が崩れる予報だった。
当初予定していた釣りには不向き。
代案として考えていた釣りも川が洪水につき、
釣りができないということで釣行はキャンセルとなった。
この時期になると、とある「いきもの」を思い浮かべてしまう。
ギフチョウ
学名:Luehdorfia japonica
本州に広く分布するが、生息は局地的。
環境破壊や里山の荒廃により絶滅した地域も見られる。
幼虫期の食草はミヤコアオイやヒメカンアオイなど。
成虫になるとカタクリやスミレ、サクラ類の花に吸蜜するため飛来する。
名前の由来は最初の採集地域が岐阜県だったことに由来する。
アゲハチョウを小さくしたイメージの蝶。
成虫期は短く、春先に一時的に姿を現し、パタリ…と姿を消す。
その可憐な姿から、春の女神と称されることも多い。
写真は中学生時代、数ヶ所の地域で採集したギフチョウの標本。
この頃は生息地に行きさえすれば、観察することはそれほど難しいものではなかった。
生き物好きだった親父の影響もあり、幼少期の頃から昆虫が好きだった自分。
今から10数年前、この時期になるとギフチョウを探し、二人で野山を走り回っていた。
予報が変わり、土曜日は晴れのち曇り…
急遽、春の女神に会いに行ってみることにした。
この地に向かうのは11年ぶりだろうか…
微かな記憶を頼りに、車を走らせる。
昼過ぎにはカタクリが自生し、過去にギフチョウと出会ったことのある、場所に辿り着いた。
そこは山間部…
人里近くの雑木林。
カメラ片手に林道を歩く…
あの頃と変わっていない。
ギフチョウの飛来するカタクリの花はあちらこちらで咲いている。
白化変種の白いカタクリも見られた。
気温が比較的高く、無風。…ギフチョウを観察するのに好条件だった。
太陽の光が照りだした瞬間、春の女神は何処からとも無く現れることが多い。
見晴らしの良いひらけた場所でカメラを構え、ギフチョウが飛び出すのを待つ…
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時折、ヒオドシチョウやシジミチョウの姿は見られるが、本命の姿は…
気温の下がる夕方…望み薄ではあるが息を殺して、その瞬間を待つ。
薄暗くなるまで待ち続けたが、その姿を見ることはできなかった。
春の女神…ギフチョウ。
近いうちにもう一度、カメラ片手に会いに行ってみようと思います。