2019年3月6日水曜日

南米釣旅2019 コロンビア編 その2…リオ・マグダレーナ。




コロンビアの首都・ボゴタから長距離バスにて移動を開始。


標高2640メートルから一気に平地へ…



道中はアップダウンの激しい山道や街道をかなりのスピードで走り抜ける。

その運転の粗さに何度も頭を打ち、グロッキーになりながらも十数時間。



マグダレーナの河畔にある、小さな田舎町に辿り着いた。


まだ薄暗い時間だったが、
ここでバスを降りたのは我々だけ。


町外れのバス停にポツリと取り残されてしまった。


行くアテも無いし、とりあえず港にでも行ってみるか…


こんな人気のない時間に見ず知らずの町を歩きたくないが、
定期的にバイクに乗った警察官やパトカーが巡回しているからだろうか。

これといって危険な雰囲気はない。



明るくなると同時に人も動きだし、
港の船着き場は魚を売りに来る漁師で賑わう。


我々の「魚を探す」釣り旅における情報収集やガイド探しの基本でもあるが、
その地域に棲息する魚を知るなら朝一の港や市場に行くというのが定番だ。

自分が釣りたい魚を専門に狙っている漁師に出会えたり、
もし紹介してもらえればガイドになってくれるかもしれない。

時には名前も知らない未知の魚が並んでいたり、
予想外な魚を見つけたり…そんな新しい発見もある。


魚に興味があるなら見ているだけで面白いと思う。



さて、


コロンビアにやって来た第一の目的。


それは、サウスアメリカン・シクリッド。






Caquetaia umbrifera / カケタイア・ウンブリフェラ


という魚の存在だった。


キッカケは自分の知人で熱帯魚に詳しい、
某A村先生が見せてくれた一枚の写真(上の写真じゃないよ)。


自分たちの目に飛び込んできたのは、
現地の釣り人が腕に抱いていた「蒼い魚」。


聞くところによると、
ウンビィと呼ばれる所謂フラワーホーンの原種でグァポテの最大種とのこと。


まずその大きさに驚愕したが、
頭部には大きなコブが突出し、ターコイズブルーに染まる美しい魚体。

厳つさと美しさを兼ね備えたそのカッコいい見た目に惹かれ、
いつか現地へ探しに行きたい…そう思える魚だった。


気になった魚はとことん調べてしまうのだけれど、
釣りとしての情報は乏しく、出てくるのはアクアリウム寄りの情報のみ。


その魚について確かな情報は、
マグダレーナ川のどこかに潜んでいるらしい…ということだけだった。


ある程度の目星をつけていたエリアがあったのだけれど、
いずれも船を乗り継いで行かなければならない奥地。

情報が少なければ少ないほどに旅としては面白いが、
今回は時間的余裕が少なく、あまり時間をかけて動き回ることができない…


確信に繋がるなにか少しでも有力な情報を得ることができれば…


この日も小さな市場を練り歩き、漁師の捕ってきた獲物を物色させてもらった。



並んでいる魚は、
クリマタにパクー、タライーラに…ナマズ系が数種類。


マグダレーナ川の魚類層の一部を見ることができたが、
どれも定番種…南米のどこへ行ってもよく見かけるやつらだった。




中でもスルビン(タイガーショベル)の多さが印象的だった。

アマゾンでは定番の食べて美味しい魚…ていうか、マグダレーナにもいるんやね。




ショベルノーズキャットも並んでいた。

漁師曰く、ナマズは延縄で捕っているのだとか。


結局ここにお目当ての魚の姿は無かったのだけれど、
聞き込みを進めるうちに漁師の口から気になる情報を聴くことができた。




「その魚はこの川に居る。しかし、このへんじゃ捕れないぞ。」


「もっと奥地、山の方へ行くんだな。」


「川の上流に行くと青く巨大なやつが潜んでいる…」




やっぱり奥地へ行くしかないのだろうか。

目星を付けていたエリアに向けて、早々に移動を開始することにした。




ここからは川が道となり、移動の足は船。

河畔には小さな町や村が点在しており、バスの代わりにボートが走っている。




目的地を目指す過程で、いくつかの町や村を転々とした。

未だ有力な情報は得られていないが、
少しずつだけど着実にその距離は近づいている気がした。





お、この魚は…




話が大きく動いたのは、一人の人物との出会いだった。



ボートを乗り継いだ結果、
河畔の小さな町に辿り着いたのだけれど、
コレといったネタも無く、迷走モード突入。


濁り水の大河を眺め、
船着き場で途方に暮れていると、ある一人のおっさんが現れた。



おっさんは船を持っていて、
定期的に上流部の村へ生活物資を運んでいるという。


ダメ元で魚の写真を見せ、指さし会話帳で目的を伝えてみる。



すると…



「俺は釣りのことはわからないが、村の近くを流れる川でこんな青い魚を見たことがある。」



「そこへ行けば釣りができるかもしれない。」




おっさんの話によると、
この町の上流に知っている村がいくつかあり、そこに行けば紹介できる人物もいるという。



出会って直ぐだが、
直感的になにか感じるものがあった。



「その村に連れて行ってほしい!!」



やっと訪れたチャンスを逃すまいと頼み込む。


おっさん曰く、
その村まで結構距離がある…と、行きたそうな雰囲気ではない。



「そこをなんとか…」



提示してきた金額はこの国の物価で考えると少々高めだったが、
村への紹介料なども含んでいると考えると妥当だろうか…いや、しかし。。


交渉を進めると安くしてくれたということもあり、
このおっさんに村への案内を頼むことに決まった。




ガソリンをたっぷり買い込んでのロングクルーズ。


行きつく先は楽園??

…それとも??