2019年2月21日木曜日

南米釣旅2019 ウルグアイ編 その2…人の縁と出会い。




モンテビデオを出発してから数日…










地図を片手に河畔の町を転々としていた。

なかなか有力な情報を得ることのできない毎日だったが、
とある田舎町で衝撃的なモノを見つけてしまったのだ。




これがタライロンではなく、タライーラ…


所謂ホーリーの最大種とされるこの魚こそが今回の釣り旅の大本命。


Hoplias lacerdae / ホプリアス・ラセルダエ


現地名、タライーラ・アスーもしくはタライーラ・アズール。


その呼び名の通り、近縁のタライロンに負けず劣らず大型化し、
青みを帯びた漆黒の魚体を有するという。



釣り上げた時に、これぐらいあった。

と、両手を広げて見せてくれたが、頭の大きさからサイズは想像できた。

…漁師曰く、10㌔を軽く超えていたという。



これまでに釣り上げてきたタライーラといえば、
平均で3~40センチ程で50センチあればかなり大型。

タライロンに比べると小型なイメージを持っていたというのもあって、
この頭骨を見たときはかなりの衝撃を受けた。




黒い水に棲む「蒼い狼」




そう、我々はこの魚を追い求めてウルグアイにやってきたのだ。




漁師の家にあった泳がせ仕掛け。

大型のドラードやタライーラ・アズールを釣るためのモノだとか…


我々は旅の目的を伝え、この漁師にガイドをお願いすることに…

しかし、良い返事は返ってこなかった。


昔は大型も多く棲息していたが、乱獲の影響で今は数が少なく難しいとのこと。

そしてなによりタイミングが悪かったな…と。




1月のウルグアイは最も雨が少なく、乾季にあたる時期。

通常であればベストシーズンに違いないのだが、異常気象の影響だろうか。

上流域で降り続いた大雨によって河川は大増水。

旅の道中は突発的なスコールに度々見舞われ、水位も日に日に増す一方だった。。


目をつけていたのは町の近くを流れる小さな支流だったが、漁師曰く。



「増水と水温低下で釣りをするだけ無駄だ…」


「今の状況でタライーラ・アズールを釣るのは難しいだろう。」



しかし、少しでも可能性があるのであれば…



「どれだけ可能性が低くてもいい!可能性がゼロでなければ!」


「釣りに連れて行ってください!!」



慣れないスペイン語を使い、我々は頭を下げて頼み込んだ。


「数日雨が降らなければ可能性はあるが、あとはお前たちの運次第だな。」


これまでの経験と確固たる自信があるのだろう。容易に首を縦に振ろうとしなかった。

我々はおっさんを信じて、この田舎町に腰を据えることにした。


川の状況が良くなることを祈る日々だったが、
小さな田舎町での暮らしは楽しく、直ぐに顔見知りも増えいく。




お世話になった、モニカおばさん。

この町で、いやウルグアイで一番お世話になった今回の旅の恩人。


「こんな田舎町までよく来たわね。日本人が釣りをしに来たのは初めてよ!」

「大きい魚が釣れるといいわね!」


見ず知らずの我々を度々食事に招いてくれたり、
冒頭の漁師をはじめ、いろいろな人間を紹介してくれたり。

滞在期間中は本当によく面倒を見てくれ、困ったことがあれば度々助けてくれた。

大家族の肝っ玉かぁちゃんなのだが、我々にとっても優しいお母さん的存在。




我々の旅はいつも人の縁と出会いに恵まれているな。

「人の縁」「出会い」に感謝しないと。




この水域のどこかに…間違いなく奴が潜んでいる。

あとは釣りに出ることさえできれば…