ヤマトイワナ/Salvelinus leucomaenis japonicus
日本に生息するイワナの一種。
山間部の夏場でも15℃を上回らない水域。
主に源流域に棲息しており、小魚や甲殻類、昆虫などを捕食している。
生息は局地的。
イワナ類は山間部において、
古くからタンパク源として欠かせない存在であり、
郷土料理の一つとして古くから親しまれてきた。
釣りのターゲットとしても人気が高い。
近年は遊漁目的で放流されている、
ニッコウイワナとの交雑による遺伝子汚染。
近年は遊漁目的で放流されている、
ニッコウイワナとの交雑による遺伝子汚染。
それに伴った純血種の減少などが懸念されている。
ヤマトイワナとニッコウイワナの判別について…
簡単な見分け方としては、背中の白点の有無。
ニッコウイワナの背部は白点が目立つが、
ヤマトイワナの背部には白点が無く、魚体側面の朱点が浮き出る。
ヤマトイワナ
ニッコウイワナ
後で出てくるが、
ヤマトイワナとニッコウイワナの混血。
両種の中間にあたる交雑個体もおり、
判別が難しいイワナも…
今回の記事に出てくるイワナ写真につきましては、素人目線での判別になります。
もし、違っていたらすみません。
イワナという魚について…
日本に生息するイワナは、
日本に生息するイワナは、
エゾイワナ(アメマス)・ヤマトイワナ・ニッコウイワナ・ゴギの4種類。
最近の研究ではこれらは地域的な亜種とされている。
ちなみに北海道に生息するオショロコマはイワナの近縁種とされ、
然別湖に生息するミヤベイワナはオショロコマの亜種にあたるとのこと。
地域的亜種が存在するイワナだが、
地域的亜種が存在するイワナだが、
同じ地域においても、沢によって模様や見た目が微妙に違っており、
その沢ごとに独自イワナが存在している。
近年は遊漁目的で広く放流されている、
ニッコウイワナとの交雑における遺伝子の汚染問題が深刻な問題となっている。
なぜニッコウイワナが広く放流されるかというと、
性質的に比較的、人に慣れ易く、養殖もしやすいのだとか。
一方、ヤマトイワナは臆病で餌付けしにくく、
養殖が難しいという…コスト的にも高い。
イワナは容易に交雑するため、
ヤマトイワナしか棲息していない水域にニッコウイワナを放流すれば、
ヤマトイワナ✕ニッコウイワナの交雑個体が誕生する。
河川ごとに独自の進化を遂げようとしているイワナ。
河川ごとに独自の進化を遂げようとしているイワナ。
ヤマトイワナを増やす目的で、他の河川のヤマトイワナを移植する…
ヤマトイワナの数は増えても、
その河川独自のイワナの遺伝子は薄れ、結果的には遺伝子汚染となってしまう。
在来種の遺伝子汚染…これは深刻な問題。
放流するのであれば、
「魚を増やす…」
人間は目先の利益・結果だけに拘るのではなく、
それ以外に事も目を向け、慎重に考えて動かなければならない。
今回の釣行時も、
場所によってはヤマトイワナ✕ニッコウイワナの交雑個体が多く見られた。
ヤマトイワナについて気になりだしたのは、つい最近のことだった。
「イワナ」
…について調べていて、目についた一枚の写真。
…について調べていて、目についた一枚の写真。
スッと尖った顔つき、
黒くサビの出た魚体、くっきりと浮き出た橙色の朱点…
「なんてカッコええ魚なんや!!!」
思わず一目惚れしてしまった…
その魚の名前はヤマトイワナ。
調べれば調べるほど、魅力的な魚だった。
様々な要因で生息数が減っており、希少な魚なのだという…
同時に各地でニッコウイワナとの交雑も進んでおり、
将来的には純血に近いヤマトイワナは見れなくなるかもしれない…
現段階でも純血個体はかなり少ないと思われるが、
完全な純血種でなくても、
ヤマトイワナ…その姿を一目見てみたい。
思い立ったら即行動!
情報も無かったため、完全な開拓釣行だった。
少しの可能性に賭け、
同行者の宮武さんと共に、信州を目指した。
釣行初日の朝一。
目的の河川に到着し、
下調べ時に目をつけていた渓流を目指すが、
その道筋は想像していた以上に険しく、結果的に入渓することができなかった。
開拓開始早々の作戦立て直し。
第二候補地の川までは結構距離がある…
第二候補地の川までは結構距離がある…
妥協案ではあったが、
地形的に見て有望と思われる、本命近くの名も無き小さな沢に入った。
その沢は木々が鬱蒼としており、
日中でも薄暗く、どこか妖しげな雰囲気が漂っていた…
源流域まで距離はそこそこあると思われるが、
入渓ポイントから釣りを開始。
開始早々に竿が曲がった…
正体はアマゴ。
アマゴの次に飛び出したのはニッコウイワナだった。
早々に連発だが本命ではない…
この後もヒットが続くが、全てニッコウイワナだった。
此処は彼らの領域。
ヤマトイワナに出逢うには、もっと上流に行かなければいけないのだろうか…
源流域を目指して沢を釣り上がっていく…
その出逢いは突然だった。
岩陰からこれまで見たことのないイワナが飛び出した。
この魚はもしや…!?
背部に白点が無く、体表には朱点が散りばめらている。
素人目で見てヤマトイワナ!
なのだが、
ヤマトの血が濃いニッコウとの交雑個体かもしれない。
しかし憧れに一歩近づけたということで、嬉しいイッピキに違いはなかった。
ヤマトイワナ✕ニッコウイワナの交雑個体と思われる魚が飛び出してくる。
ヤマトイワナ、ニッコウイワナ、交雑イワナ…
入り混じって釣れてくるが、どの魚も美しく癒された。
幾つも滝を越え、源流域を目指す…
薄暗い沢を、
何時間歩き続けたかわからない…
源流域に近づけば近づくほど、
ヤマトイワナと思われる魚の数が増えてきた。
サイズはマチマチだが、
ニッコウイワナや混血と思われるイワナの姿はなく、
ヤマトイワナばかりが飛び出した。
随分釣り上がったし、
ヤマトイワナの領域に入ったかな??
次から次へと現れる、流れの落ち込み…
ミノーを撃ちこみ、
連続ジャークで魚を誘い出す…
…ガツン!
気持ち良いアタリと同時に、
目の前でミノーが引ったくられた。
良型のヤマトイワナ。
クリクリ目玉が可愛らしくも、
どこか野性味溢れる面構え…
ヤマトイワナ…カッコええ…
暫くの間、見惚れてしまった。
個人的に十分過ぎるぐらいに満足なイッピキ!
この魚をリリース後、源流へ向けさらに釣り上がった。
滝壺や淵…
良いポイントは良型が待ち構えており、
チャラ瀬には小型が待機している。
魚影の濃い箇所では、
一番大きいと思われる個体から最初に釣れてきた。
最奥地まで釣り上がったが、
源流から数百メートル区間はヤマトイワナばかりだった。
魚体の特徴的にはヤマトイワナ。
ニッコウイワナに比べるて目が大きく、
顔つきも少し違った印象を受けた。
あくまで素人見解であり、
今回釣れたイワナが純血のヤマトイワナかどうか…
確信を持ってヤマトイワナだ!と、断言できませんが、
綺麗な魚に出逢うことができ大満足!
綺麗な魚に出逢うことができ大満足!
なによりも、
「自己開拓で出逢えた。」
…ということが、
本当に嬉しく、記憶に残る一日でした。
二日目…
新たなポイント開拓のため、
朝一から別支流の源流を目指した。
ヤマトイワナ狙いのため、
源流部に程近い箇所から入渓して釣りを開始。
ヤマトイワナ狙いのため、
源流部に程近い箇所から入渓して釣りを開始。
此処の魚は非常に警戒心が高く、
岩陰や倒木に姿を隠して一発でキャストを決めなければならない…
とある滝壺下…
大岩の隙間にルアーを送り込んだ瞬間だった。
気持ち良いアタリと同時に、
綺麗なヤマトイワナが飛び出してきてくれた。
背面・体表に白点が一切無く、
側面に散りばめられた橙色の朱点…
自分の中で思い描いていた通りのヤマトイワナだった。
この日はとある支流の中流域にも入ってみたが、
ニッコウイワナが多かった。
ヤマトイワナも釣れたが混血イワナが多く、本命のヤマトは極小数。
最後にもう一箇所、別支流の源流域に入った。
混血らしき個体も見られたが、
源流域では綺麗なヤマトイワナが多く見られた。
今回、訪れた河川は五ヶ所。
その全てで運良くヤマトイワナの顔を見ることができた。
ご一緒頂いた宮武さん、お疲れ様でしたm(__)m
タックルデータ
Rod:TULALA ハーモニクス コローナ58
Reel:ダイワ リベルトピクシー
Line:ナイロン10lb
Lure:スミス Dコンタクト各種
今回、渓流で初めてベイトタックルを導入!
ロッドはTULALA ハーモニクスのコローナ58。
木々の生い茂る渓流…特に川幅の狭い源流域では、
ショートレングスを活かし、トラブルレスでUPテンポな攻めが可能。
キャストスペースの少ない渓流において抜群の取り回しの良さ、
ルアー操作時には軽快な操作性を誇ります。
サイド・オーバー・ピッチング・フリップキャスト…
倒木が複雑に入り組んだ箇所に撃ちこみ、
軽快なジャークで魚を誘い出す…
コローナ58のおかげで、
渓流釣りがさらに楽しく感じた今回でした。
大和岩魚…
出逢うことができてよかった…
出逢うことができてよかった…
大和岩魚の棲む渓…
いつかまた…