ある日の午後、
とある魚を一目見たくて水辺へ…
舞台は淀川のワンド群。
早春の風物詩とも言える、シロヒレタビラ。
彼らの姿を一目見ようと、
その美しい魚体に魅せられたタナゴ釣り師達で釣り場は賑わう。
自分もその中の一人だった。
クチボソやヒガイ…
糸を垂れると気持ちよくウキが消し込み、様々な魚たちが楽しませてくれる。
絶え間なく伝わる魚信から春の訪れを感じ、
夢中になって釣り続けるも、本命が姿を見せる気配は一向にない。
常連のおじさん方曰く、今年は数が少なくあまり良くないのだという。
実際やってみてそう簡単ではなかった。
姿は見えないがこの水域のどこかに…
水中を乱舞しているであろうシロヒレタビラ。
あの美しい魚体が見れるのであれば…
夕マヅメの小一時間だけとは言え、三日間連続で足を運んでしまった。
カワヒガイ。
タナゴ類と同じく、貝に卵を産み付けるヒガイ類。
食性も似ており、タナゴ釣り中にお目にかかる機会の多い魚だ。
シロヒレタビラと同じく、ゴロタなどの障害物を好む。
この魚が居るということは…
沈み岩周りを丁寧に探ると、立て続けで三尾の魚が飛び出した!
いずれもシロヒレタビラのメス。
オスほどではないが、ほんのりと淡く色着く魚体が美しい。
となれば、間違いなくオスも近くに…
群れているときは比較的簡単だけれど、
単体、産卵を意識、障害物に依存…
こういった状況のタビラ類を狙うのはちと厄介なイメージ。
勝負はマズメ時。
その時がくるのを静かに待った。
…
……
………
そして迎えた夕マヅメ。
やはり時合いは一瞬だった。
日没間際に尾後くんとダブルキャッチ。
コバルトブルーに輝く魚体、白黒に染まる腹鰭と尻鰭。
そのあまりの美しさに感極まった。
宝探しのようにワクワクできるあの感覚。
こんな魚に出逢えるからこそ、タナゴ釣りはやめられない。
淀川のシロヒレタビラ。
彼らのこんな姿が見れるのも今のうちだけ。
季節が進めば少しずつ色が抜け落ちてしまう…
短期間しか見れないのが少し残念でもあるが、
それもまたこの釣りの魅力なのかもしれない。
タナゴ釣りは日本の四季、
季節の移り変わりを感じることができる…とても好きな釣り。
少し気が早いけれど、来年もまたこの場所で。
釣り終了後は本日の反省会。
美しい魚体を一目見たくて、
全国各地の水辺を探訪するタナゴ釣り師の面々。
事前に打ち合わせしていたわけではないのだけれど、
釣り場の回遊ルートが偶然にも被って現地でバッタリ。笑
ご一緒した皆さん、お疲れ様でしたm(__)m