ラバウルに来て数日。
とくに進展もないまま、時間だけが過ぎていた。
なんとかして島の西側へ行くべきなのか…
いや、それとも…
いっそのことパプア本土に戻ったほうが懸命ではないだろうか?
PNG側のニューギニア本土でパプアンスポットテールバスの話は聞かないが、
パプアンブラックバスは棲息している。
残り時間や予算のことも考えると…
何もできないまま終わるのは悔しいが、ニューブリテン島はまたの機会にとっておこう…
いたるさんと話し合った結果、ニューギニア本土に戻ることにした。
…とは言ったものの、帰りの便は数日後。
早く切り上げるのであれば、
本土までの航空券を新たに手配しなければならない。
ダメ元でニューギニア航空のオフィスへ。
事情を説明すると、
復路便を振り替えて本土への便を手配してくれると言う。
追加料金がかかるかと思いきや、なんと無料。
…ありがたい。
そんなこんなでニューギニア本土に戻ってきたが、さてどこを目指そう…
急遽Googleマップで目ぼしい場所を探したいところだが、
PNGは空港はおろか宿でもwi-fiが飛んでおらずそれができない。
これまではwi-fiに頼る旅をしてきたが、
今回はそれができないのがツラい…
SIMフリーのスマホを用意してくるべきだったな。。
とりあえずポートモレスビーの宿探し。
タバコを吸っていた暇そうな空港職員に聞いてみると町外れの安宿教えてくれた。
二人部屋が一泊115キナ(一人1800円ほど。)
普段の旅の感覚だと高いけれどPNGでは安い方。
町外れにあるので周囲には何もないけれど、
とりあえずの拠点ができて落ち着けたところで情報収集を開始した。
パプア本土に関してはノーチェックだったが、
地図を見ればポートモレスビーから陸路で行ける範囲で大小いくつもの河川が存在しており、近場でも十分に釣りができそうだ。
河川の規模や地形、雰囲気のみで何箇所か目ぼしい河川を選んだ。
今回の旅の本命魚がいるかどうかは…
行ってみないと分からないが、それも釣り旅の楽しみ。
目的地が決まれば移動なのだが、ここでも移動の足はPMB。
長距離便は朝一に出てしまうとのことで、朝早くにバス乗り場へ向けて移動。
しかし、捕まえたタクシーの運転手もいまいちよく分かっておらず、辿り着くまでに時間がかかった。
なんとか最終便をキャッチしたのだけれど、
ラバウルで乗ったバンタイプのPMBではなく、荷台に座席を取り付けた大型トラックだった。
どこからともなく乗客が集まり、ガソリンや食料などの物資が次から次へと積み込まれていく。
道路は所々凹凸があるものの、一応コンクリートで舗装されているため、
泥濘にハマって動けなくなる…なんてこともない。
トラックなのでそんな心配は無用なのだが、問題は突発的なスコールとハンパない砂埃ぐらいだろうか。
あとは昼夜問わずハンパない速度でかっ飛ばすので、もし事故ったら死ねる。。
そんなこんなで大型トラックに揺られ、振り回されること丸一日。
目星をつけていた河畔のとある小さな村に辿り着いた。
街道沿いの小さな村ゆえに降りる人間も少なく、ましてやパプア人以外の人間となれば…
物珍しい、好奇な視線と共に人が集まってくる。
魚の写真を見せて回ると、近くの川にはパプアンブラックバスとバラマンディが棲息していると言う。
両手を大きく広げてこんなのがいるぞ!とか、
これぐらいのパプアンブラックバスを釣り上げたことがあるぞ!なんて話が飛び交う。
旅は良い方向に進みつつあるも、日も暮れかけていたので続きはまた明日。
とりあえず今日はこの村で一泊することに。
少々値は張るが、一軒だけ存在するゲストハウスに転がり込んだ。