ジャウーを追いかける日々が始まった。
先ずはナマズ釣りの餌調達。
朝一にブラックピラーニャやルクナニをキャッチし、
ナマズポイントに向かう。
ジャウー狙いで訪れたのは本流域で比較的流れが早く、
巨大な岩が点在するエリア。
一番良いポイントにダイレクトに仕掛けを入れたいところなのだが、
アンカーが無かったため、とりあえず岩場に上陸。
ショアから仕掛けをブッコむことになったのだけれど…
わかってはいたが、
ここでこのやり方は地形的に不利過ぎた。
流芯付近は比較的水深があり、周囲には大岩が点在。
オマケに釣りをしている少し沖側は急激なかけあがりになっており、
立ち位置から考えて角度的にラインがかなり危うい。
本命らしきアタリが数度あるも、
最後の最後で岩の隙間に潜られてしまいバラし…
…直ぐに対策会議に入った。
この場所は一級ポイントに違いないが、
正直、ショアから挑んでキャッチできる気がしない。
「確実にボートからやな。」
「あと、やっぱりアンカーが必要や…」
アンカーに最適な石を探すため、一度岸に上がった。
大きすぎても、小さすぎてもダメ。
丁度良いサイズの石を200lbのナイロンショックリーダーで縛り、
水深より気持ち長めにとったラインに、目印としてペットボトルをくくりつける。
即席アンカーを二個、流芯付近に沈めてボートを固定。
流されにくいスポットに仕掛けを送り込んだ。
魚影の濃い川だが、その分厄介な餌取りも多く、
パヤーラやブラックピラーニャが集まるとたちまち釣りにならなくなってしまう。
奴等がくるまでが勝負!
…きてくれ!ジャウー!!!
…
……
………
30分ぐらい待っただろうか。
いたるさんの竿にバイトが集中し、ついに本命らしきアタリ!
ジリジリとラインが引き出され、
タイミングを見計らって大アワセをいれると同時にロッドが絞り込まれた。
ほぼ直下の垂直ファイトとは言え、
真下には大岩が点在しており、潜られれば非常に厄介だ。
ジリジリとテンションをかけ、浮かせにかかるとゆっくりと黒い影が浮上。
姿を現したのは今釣行の本命!ジャウーだ!
ジャウー / Paulicea lutkeni
憧れだったナマズが目の前にいる!
姿が見れただけで大興奮だった。
いたるさん、おめでとうございます!!!
後に体験するのだが、
流水域かつ、岩場に潜むジャウーはなかなかにパワフル。
「剛力」と呼び名の高いジャウーだが、
彼らの剛力を思い知らされる出来事があった。
大型ナマズの取り込みにはロープを使用する。
この時も尾をロープで縛っていたのだけれど、
撮影のために岸に向かう最中ボートが不安定だったため、
一時的にボガグリップを使用することにした。
口の厚み的に60lbのスペシャルボガがギリギリでハマるといった具合だろうか。
ジャウーをボート際に固定して走行中のこと。
大人しくしていたジャウーが突如頭を振って抵抗した瞬間だった。
手首を捻られたと同時に…
最初、何が起きたのか分からなかったが、
…パキン!
という音と共に、スペシャルボガの稼動金属箇所が断裂。
本来ボガグリップを使うべきサイズの魚ではなかったため、
使用した自分達が悪いのだけれど、恐るべきジャウーの剛力。
…ちょっと衝撃的だった。